「これを食べれば、免疫力アップ」の誤解
いずれにせよ、特定の食べ物にこだわるよりは、いろいろなものをまんべんなく食べることのほうが大事でしょう。免疫の機能を保つのに大事なビタミンやミネラルが補給されるようになるからです。
免疫をサポートする栄養素として、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンC、ビタミンEや亜鉛などがよく挙げられますが、それはこれらの栄養素はすべて免疫の働きに必須だから大事なのです。
不足すると、免疫の働きが落ちてしまうことから、これらの栄養素の重要性がうたわれています。
ところが、新聞やテレビ番組を見ると、これらの栄養素がしばしば「免疫力をアップできる」として挙げられています。
免疫力が落ちている時には回復に役立ちますが、これらの栄養素を多くとればその分、免疫力が上がるかというと、そんなことはありません。どうもこのあたりに安直な理解というか大きな誤解がありそうです。
食欲がないときはサプリに頼るのもアリ
繰り返しになりますが、これらの栄養素は免疫機能が十分に働くために重要なのです。
単にたくさんとったら免疫力がアップするのではありません。足りないと免疫機能がサポートされずにからだの防御力が下がるのです。
栄養素の摂取が一定程度に保たれていれば、免疫は期待通りに機能するので、無理にたくさん補給する必要はありません。一方、夏バテなどで食事量が減っているような時にはサプリメントなどの形でこれらの栄養素を補給することによって、一度下がった免疫力が回復してきます。
でも健康時よりも免疫力がさらにアップするかというと、そうではないのです。どうも世の中は、物事の原理をよく理解しないまま、手っ取り早い話に飛びついているような気がします。