「お金持ち」が国債に集まってくる?
【ウエノ】いや、それってもう「誰が買うんだ⁉」状態じゃないですか。
【深野】だから低金利時代は本当に不人気だったんです。しかし、利上げの流れによって“潮目”が変わると思います。ひとつベンチマークとしているのは、10年物国債の金利が1%を超えるときですね。
金利1%と聞くとそこまで高くないと思いがちですが、この水準は日本では12年ぶりです。1%を超えてくると、「元本保証の定期預金などに目がない人たち」が集まってくる可能性が高いと思います。
【ウエノ】例えば高齢者とかですか?
【深野】そうです。日本における個人の金融資産は60代以上が大半を保有しています。その資産運用先が株式から債券に移り始めるでしょう。日本国債の利回りが今後どれくらい上がるかは未知数ですが……、もし2%台になれば資金の“大移動”が起きてもおかしくはないと思います。
【ウエノ】今はまさに、過渡期なんですね。
1年で100万円から2万4000円が生まれる
【深野】そこまで待たずとも、ポートフォリオに債券を組み込むのに選ぶべき商品はほかにありますよ。例えば米国債です。FRBの利下げにより多少利率が落ちていますが、足元(2024年12月2日時点)でも償還期限10年で4.10%前後という高い水準です。
また、円建ての「個人向け社債」の中にも利率3%超の商品があります。100万円分を買ったら、何もせずとも年間約3万円(税引き後2万4000円程度)を得られて、元本も減りません。
【ウエノ】たしかに。年5%の資産運用を目指すにしても、債券で3%のリターンがあればかなりの“下支え”になりますよね。
【深野】その考え方が大切なんです。これまで株式や投資信託などリスク資産への投資が10割だったのを7〜8割に減らし、2〜3割は債券に投資すればいいのです。運用資金が多い人なら5対5でもよくなります。
こういった投資商品をポートフォリオに組み込むことによって、リスクを抑えつつリターンが期待できるようになります。
【ウエノ】債券投資、少し興味が湧いてきました……!