目当ての社債があったら自分で問い合わせる
【ウエノ】ちなみに、そもそも社債を買ったことがないのですが……どこで買えばいいんでしょうか?
【深野】国債も社債も、大半のネット証券で普通に購入できますよ。新発債であれば銀行が扱うケースもあります。
ただ、株式などと違うのは、証券会社に在庫がなければ買えないということです。人気の債券ほど基本的に取り合いになることを覚えておいたほうがいいですね。株式の新規上場(IPO)と同じように、大手証券会社のほうが在庫を持っている傾向があるので、目当ての社債があったら「在庫はありますか?」と証券会社に問い合わせてみるといいですよ。
【ウエノ】なんか、結構アナログなんですね(笑)。
【深野】実際、新発債を買いたい場合は証券会社の営業担当者と仲良くしておくことも大切だったりします。営業さんに「期間5年間で利回り1%以上の社債が出たら教えて」と伝えておくと、いざというときに教えてくれたりするんですよ。
10年国債の利回りはじわじわと上昇
【ウエノ】今までネット証券ばかり使ってきましたが、お得な社債を手に入れようと思ったら、営業さんとの付き合いも考えたほうがいいのか。そもそも、債券っていくらくらいで買うのが普通なんですか?
【深野】例えば、最もポピュラーな日本の「個人向け国債」の場合、1万円から買えますね。
個人向け国債には「固定・3年」「固定・5年」「変動・10年」という3タイプがありまして、固定は文字通り契約期間内の利率(クーポンレート)が変わらない商品です。一方、変動・10年は半年ごとに利率が見直されます。
【ウエノ】となると、金利上昇が濃厚なら「変動」のほうがいいわけですか?
【深野】その通り。ちなみに、10年国債の現在(2024年12月2日時点)の利回りは1.075%ほどです。
【ウエノ】う〜ん、100万円を預けても年に1万円ほどしか貰えないなら、正直あまり魅力的な投資商品じゃない気がするのですが……。
【深野】そう思うのも無理はないですよね(笑)。ただ、これでも利率は上がっているのですよ。財務省のホームページには1974年からの毎日の金利推移が載っているのですが、それを見ると、2021年の年末頃までは金利0.1%以下で推移していたんですから。