子供の教育費が必要になるまで放置でいい
【ウエノ】将来の目的というと、例えば僕の場合は子供の教育資金とかでしょうか?
【深野】そうです。その場合、子供の進学時期に合わせてゼロクーポン債を購入するという投資スタンスが有効だと思います。たとえば子供が0歳なら、高校に進学する約15年後や、大学進学に合わせるなら約18年後に満期になるゼロクーポン債を購入して、あとは満期までほっておけばいいのです。
【ウエノ】そんな長期間、放置しているだけでいいんですか……?
【深野】はい。なぜなら、ゼロクーポン債は「小さく買って、大きく受け取る」タイプの商品だからです。ゼロクーポン債は購入時にはディスカウント価格で買えますが、満期になると額面金額で戻ってきます。その購入金額と額面金額の差が「利益」です。
【ウエノ】安く買っておいて、将来、お金が必要になるときまで寝かせておけばいいわけですね! ちなみに、米国債っていくらから買えるんですか?
15年後、46万円が2倍の90万円に
【深野】証券会社によって異なりますが、通常、米国債は利付債、ゼロクーポン債ともに額面価格が100ドル単位ですね。ただ、実際に買う価格は額面に対して「87.12%」や「95.55%」などと表示されています。額面が100ドルなら、87ドル12セントや95ドル55セントで買えるというわけです。
この金額に対して1ドル=150円などの証券会社が提示する為替レートを掛けたものが、日本円での購入金額になります。一方、ゼロクーポン債は最低購入金額が1000ドルですね。
【ウエノ】ではぶっちゃけ、どれくらいの利益が出るイメージなんでしょうか?
【深野】例えば、「期間15年」のゼロクーポン債を「購入単価51.08」で6000ドル分を購入したとしましょう。為替レートは1ドル150円とします。
その場合、6000ドル×51.08%×150円で、約46万円が購入金額になります。
それを15年間保有すれば、同じ為替レートなら償還時に90万円(税引き前)を受け取れることになります。もちろん為替の状況次第で結果は大きく変わります。
【ウエノ】ほっておくだけで、ほぼ倍になるのか……。証券会社のサイトを見ると、満期までの期間も1〜30年とか、種類も豊富ですね。