漫画家の田房永子さんは「地域の卓球サークルに加入したところ、60代、70代、80代で元気に動き回っておしゃべりしまくっている人たちがいた。46歳の私は、同世代で集まると『急にガタがきた』という話ばかりになり、メンタルも低調で塞ぎ込んでいたが、元気な高齢者を見て希望が湧いてきた」という――。
卓球をする人の手元
写真=iStock.com/Vitaliy Mariash
※写真はイメージです

老若男女が集う地域の卓球サークル

運動不足解消のため、地域の卓球サークルに入ってみました。

10代~80代までの老若男女50人くらいが在籍しているサークルで、経験順に分けられたグループで練習します。

最初は週1回通うのがおっくうで、体育館に着いてもUターンして帰りたくなっていましたが、みんなが和気あいあいとしているので、だんだん楽しくなってきました。

私のグループは、だいたいこの6名です。

▼ 50代後半くらいの男性
▼ すごく明るい女性(60代くらい)(Bさん)
▼ 真面目そうな女子大生
▼ 真面目そうな男子高校生
▼ 46歳の私
▼ むちゃくちゃ元気なおばあちゃん(Aさん)

明るく話しかけまくり動いて球を打ちまくるAさん

元気なおばあちゃんAさんは、人一倍走り回ってボールを拾ってくれます。動きが素早すぎて先に取られてしまう。10代〜60代の私たちは自分のペースで足元にきた球を拾うくらいですが、おばあちゃんAさんは卓球台の周りを100周くらいする勢いで走り回っています。玉拾いにかける思いがぜんぜん違う。

それにおばあちゃんAさんは誰にでも明るく話しかけます。すごく誉めてくれます。スマッシュ練習で私が上手く打てるとすぐ横で「ウマイッ!」「スゴイッ!」「惜しいッ!」「なんでッ!」とかずっと言ってくれるので、おかしくなって笑ってしまいます。

Aさんは通常の人間が1時間で行える行動の10倍くらいの量のおしゃべりをこなし、動いて球を打つ、を猛スピードでこなします。

いつでも次の予定が詰まっていて、練習終わりの体操を始める頃には、出口から出ていくAさんの後ろ姿が。たぶん若い時から超人なんだと思う。80代らしいけど、普通の人間の200年分くらいを生きてる。