通勤定期を「週末に私用で使う」は本当に問題ないのか?

今年9月、東京都豊島区の職員84人が、総額にして約1000万円の通勤手当を不正受給していたことが明らかになりました。12年間の長期に及んで不正受給をしていた職員もあり、それぞれ不正受給分の返金に加え、戒告や減給の懲戒処分が下されました。

通勤手当の不正受給は些細な問題として看過されがちですが、会社に対する背信であり、詐欺罪です。発覚すれば社内での地位がどん底に落ちます。

通勤手当はどこまでが不正受給に該当するのかという線引きが難しく、無意識に違反しているケースも目立ちます。どうすれば不正受給を未然に防げるのか、具体的な事例を引き合いに解説します。

自動改札機
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通勤手当の不正受給には大きく2つのパターンが存在します。1つ目が「自宅とは別の住居から出勤している」です。私がよく扱う事例では、交際相手の家で同棲していたり、家族と別居してホテル暮らしをしていたりするケースです。当事者からすれば、会社に同棲や別居の事実を知られたくないため、なかなか通勤経路の変更を切り出せず、不正受給が長期化しがちです。そのうち同僚に、自宅と違う駅から出勤している姿を目撃されて、内部通報されて発覚するといったことがあります。

やむをえない事情がある際も、半年以上の長期間にわたって自宅以外の地域から出勤すると、懲戒処分の対象になりえます。通勤定期券を更新するタイミングなど、社内で通勤経路の変更について確認される機会があるかと思います。自宅から通勤している実態がないにもかかわらず、通勤定期券を更新することは詐欺なので、正直に申告しましょう。

一方で、多少通勤経路を逸脱しているからといって、事情に鑑み不正受給とは取り扱われないこともあります。たとえば、通院してから出社する場合や、親の介護で週に数回実家から通勤せざるをえないケースです。会社ごとに規定が異なるのでケース・バイ・ケースではありますが、正当な理由があれば、杓子定規に不正受給とは判断されません。

2つ目のパターンが「会社に損害を与えている」です。これは通勤手当をもらいながら、会社まで徒歩や自転車など申請外の方法で通勤をしているケースです。たまに徒歩で通勤するなら理解できます。しかし、通勤手当を不正受給する目的を持って常習的に徒歩で出退勤している場合は、会社への裏切りなのでやめましょう。