和尚の元に寄せられる現代人の「三大不安」
同様の調査は他にもたくさんあるが、私自身も10年以上、人々の不安の声に耳を傾けてきた。私は10年ほど前から、人々の悩み・苦しみに寄り添いたいという思いからYouTube上に「大愚和尚の一問一答」というチャンネルを開設し、配信を続けてきた。今そこに寄せられている回答待ちの相談は、4500件を超える。
それぞれの悩みには、それぞれストーリーがあるが、人々が抱える不安の3大要素は、
1.経済的不安、2.心身の健康不安、3.人間関係の不安
である。この10年ずっと変わらない。
そして人々の心に不安が広がる背景には、物価高、電気料金など生活インフラの値上げに関するニュース、ロシア・ウクライナ戦争などの諸外国での戦争関連のニュース、大雨や災害ニュースなどが大きく影響している感がある。
不安を拭いきれず、病になってしまう人も
いずれにしても、常に不安や悩みを抱えている状態が続くと、精神的に多大なエネルギーを消耗してしまう。そして精神的なエネルギーの消耗は、身体的な不調も引き起こす。心身は密接に繋がっているからだ。
もともと神経質で不安を持ちやすい性格の人はもちろん、精神の強さや無神経を自負する人であっても、繰り返し、あるいは継続的にストレスがかかり続ければ、心身の病を患い、不安障害やうつ病と診断されることにもなりかねない。
不安が病と診断される基準は何か。
それはそれらの不安を拭いきれなかった結果、日常生活、学校生活、仕事に支障をきたしているかどうかだ。
公益社団法人日本WHO協会によれば、不安障害を患っている人は、日本に1000万人以上、世界には約3億100万人もいると言われている。
そう。将来に不安を感じている人々が多いのは、決して日本だけではないのだ。
例えばポジティブシンキングの国、アメリカでも同じである。特に若年層における問題がより深刻なのは、アメリカだ。