人にケチをつける行為は、自分の首をしめることになる

ロクでもないと思うし、そういう人に限って、自分は何もしていません。人に求めるなら自分がやればいいのではないでしょうか。

日本には古くから伝わる素敵な教えがたくさんあり、その1つに薩摩藩に伝わる「おとこの順序」という教えがあります。

英語には「音の鳴っているタイヤしか油を差してもらえない」といった言葉があります。「主張をしないと何も得られない」という教えです。今の日本はまるで、「漢の順序」の二と五が入れ替わってしまったように見えます。

挑戦して失敗することがまるで恥ずかしいことで、それを上から目線でバカにすること(冷笑)がまるで優れていることのよう。ネット上だけでなく、リアルでもそうなっていっていると思います。「減点方式」のなれの果てなのでしょうか。

谷口たかひさ『自分に嫌われない生き方』(KADOKAWA)
谷口たかひさ『自分に嫌われない生き方』(KADOKAWA)

人間なんて完璧ではないのだから、人にケチをつけるなんて誰でもできます。こんな社会では「何もしない」が正解になり、「ゼロリスク思考」人間がどんどん増殖してしまいます。その行き着く先は何の変化も変革も成長もない、ただただ堕ちていくだけの社会。そんな冷笑文化に侵された社会に、先があるのでしょうか。

ですから、人にケチだけつける行為は、自分の首をしめているようなものです。人間だから、人のやっていることが気に入らないこともあります。だけどその足を引っ張りたくなったら、自分が堕ちた証拠。人のやることにケチつけるヒマがあったら、自分の人生を良くすることに時間とエネルギーを注ぎたいものです。

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