名言その4
【相手の態度に腹が立ったときには、「世の中に腹の立たない人がいるだろうか」と自問自答してみなさい】
アウグスティヌス(カトリック教会の司教、神学者、哲学者/354~430年)
この言葉は、さらに「ありえないことを相手に求めてはいけない」と続きます。腹が立ったということは、言い換えれば、相手に「私を不快にさせるな」と要求しているということ。そもそもが無理のある要求だし、こっち側の勘違いやワガママで腹を立てていることもあります。
嫌なことを言われたりされたりして、腹が立ったときだけではありません。仕事を覚えてくれない、話が通じない、考え方が合わない……など、目の前の人が、こちらの求めに応えてくれないケースは山ほどあります。しかし、仕事を完璧に覚えてくれたり、どんな話もすんなり通じたり、考え方がピッタリ合ったりする人なんて、どこにも存在しません。
他人に対して腹立たしさや不満を感じたときは、「ありえないこと」を相手に求めていないかどうか、胸に手を当てて考えてみましょう。相手の求めに十分に応えられていないのは、自分だって同じです。多少の至らない部分は、お互いに許し合いたいところ。そのほうが、自分自身も楽になれます。
名言その5
【嫉妬深い人間は、自ら真実の徳をめざして努力するよりも、人を中傷するのが、相手を凌駕する道だと考える】
プラトン(古代ギリシャの哲学者/紀元前427頃~紀元前347年)
巷には悪口や中傷が飛び交っています。誰しも、同僚や知人の心無い悪口に傷ついた経験があるはず。当人は悪口のつもりはなくても、何気ない嫌味や無意識のマウンティングで、けっこうなダメージを受けることも少なくありません。
この言葉を見ると、どうやら人間がやることは、プラトンが生きた古代ギリシャ時代から、ぜんぜん変わっていないようです。嫉妬深い人間や努力する気がない人間は、誰かを中傷することで自分のプライドを手っ取り早く満たしてきました。実生活だけでなく、ネット上にもそういう人は山ほど見かけます。
そんな残念な人たちのセコイ都合に振り回される必要はありません。まして、反省する必要なんてありません。たとえ自分に向けて言われた言葉でも「自分には関係ない話」です。そんなことに精を出している姿を見て、哀れに思ってあげましょう。
「名言」は人類の叡智の集大成です。さまざまな偉人が残した言葉や、世界各地で大昔から伝わっている言葉には、強く生きるための知恵や自分を元気づける秘訣が詰まっています。生きていく上で必ず付きまとう悩みや迷いやモヤモヤは、名言に解消してもらいましょう。悲しいときや落ち込んだときは、名言に慰め励ましてもらいましょう。名言という頼もしい味方と手を取り合いながら、あなたの人生をあなたらしく胸を張って歩いて行ってください。