なぜ「完璧主義」な人は片づけが苦手なのか?
掃除が嫌い・苦手だと感じるタイプに多いのは、意外にも完璧主義な人です。完璧主義な人は物事を0か100かで捉える傾向があります。
自分自身に対する評価も厳しく、100%きれいな状態以外はダメだと思ってしまっているため、自分は掃除が「できない」「苦手」と思い込んでしまっているのです。
そのほかにも、こんな「完璧主義」の方たちがいます。
・自分以外のことに一生懸命
真面目で完璧主義な人は、自分よりも他人を優先し、何事も一生懸命な人が多いようです。子育てや仕事、人付き合いに頑張って、自分のことは後回し。毎日目の前のことをこなすだけで精一杯で、自分が心地いい空間づくりまで頭が回らない。
・ずっと正解探しをしている
完璧を求めるあまりいつも「これでいいのかな」と考えてしまう。失敗することは許せない、と思っている人も多いようです。片づけも、「この方法でいいのかな」「もっと効率のいい片づけがあるのではないか」と考えることに時間を費やしてしまい、一歩が踏み出せない。
・ダメな自分をさらけ出せない
片づけられないキャリア女性に多いのがこのタイプ。外ではバリバリ働いているけれど、家の中は散らかっている。どうにかしたいと思っているけれど、ダメな自分は見せられない。他人からの評価が気になり、鎧を着ているように生きている。
こんな「完璧主義」の方たちにお伝えしているのは、「完璧主義ではなく、完了主義になりましょう」ということです。
完璧な状態を求めるのではなく、「今はとりあえずこれがベスト」と思ってやり始め、小さくてもいいので、一つひとつしっかり「完了」させていくのです。
私が開催している片づけの講座では部屋の現状を写真に撮ります。部屋だけでなく、書類入れ、食器棚、クローゼットの中などもです。最初は「恥ずかしい」と抵抗する人もいますが、みんなで共有し合うと「みんなもそうなんだ」とだんだん今まで着ていた鎧が外れて、完璧ではない「本当の自分」が出せるようになるんですね。
「痛み」が自分を変えるモチベーションに
このように、自分のダメな部分をさらけ出して「痛み」を感じることは自分が変わるモチベーションとしては強いです。意図的ではなくても、こんな「痛み」が片づけのきっかけになったとおっしゃる方がいます。
・家族が事故にあって急にお姑さんがきて、汚部屋がバレてしまった
・息子が結婚することになったが「こんな汚い家じゃ彼女を呼べない」と言われてしまった
そもそも完璧主義の人は、自分に期待しすぎている傾向があります。
自分では気づいていないかもしれませんが、「私は失敗できない」「みんなから認められたい」とどこかで思っているんです。
でも実際は、理想の自分と現実の自分に乖離があって、モヤモヤしてしまう。だったら最初から自分に期待しないほうがいい。自分から積極的に「痛み」をさらけ出してしまったほうがいい。
私は、もしかしたら周りから完璧主義と思われているかもしれませんが、そもそも自分には期待していません。小さい頃から何事も遅くて怒られることが多かったし、夏休みの宿題は終わったことがなかったし、中学3年生は3分の1ぐらい学校に行っていないんです。
転機となったのは高校です。最初はあまり行きたくない高校でしたが、そこですごく自分を認めて、ほめてくれる先生に出会い、自信がつき、行動できるようになりました。人間、ある程度の痛みは大事ですが、痛みが大きすぎると行動できなくなります。
自分に期待しない。あまり痛みが大きくならないうちに行動し、応援してくれる人を周りに置く。
それが、完璧主義さんが変わる秘訣かと思います。
POINT
「完璧」なんてどこにもない
毎日少しずつ「完了」させていこう