“大人側”がスピード感をもって対応する

また、最近ではドイツからの学生が「学食でラーメンが食べられたら、最高なのに」と言って、これまた生徒たちからの賛同があったので、絶校長はすぐに動きました。

旧知である一風堂のオーナーに相談したところ、番組をちょうど見てくれていて、ぜひ協力したいと言ってくれました。そしてなんと1週間後には世界中に支店を持つ一風堂さんが初めての学食への出店を決めてくれたのです。

本当にラッキーでしたが、こうやって子どもたちの本気には大人たちも本気で返して、事態が動き出すのを見せていきたい。

「どうせ、言っても変わらない」

柳川高校を卒業していく子どもたちには、訳知り顔でそんなふうに言う疲れた大人にはなって欲しくありません。スピード感を伴って自分たちの言ったことが実現していく状況を目の当たりにし、自分たちの持っている可能性を狭めることなく成長していってもらいたい。

僕は柳川高校から1人でも多くのゲーム・チェンジャーを輩出したいと考えています。ゲーム・チェンジャーとは、革新的な新しいものを生み出せる人。だから、平均的に物事を考えるのではなく、頭の広い子を育てていく。そのためには大人側から意識を変えていく必要があります。

「校則」を生徒に託したら、教員が猛反発した

柳川高校では、3年前から生徒会が中心となって校則を生徒たちがつくっています。

子どもたちに校則を託すに当たって、猛反発したのは大人たちでした。昭和から続く現状にまったく合っていないブラック校則は、変われない教育現場の象徴のようなものです。僕はそれを変えていくのも学校改革の重要なステップだと考え、臨時の職員会議を開きました。

「これから生徒たちに校則を託したいと思う。これはブラック校則が話題になっているからやるのではなくて、学校が変わっていくために必要なステップであり、生徒たちが大きく成長するチャンスだから取り組んでいく。今日はその具体的な手順を話し合っていきたいと思います」

冒頭で僕がそう言うと、職員会議は大荒れ。司会役の教頭は蜂の巣状態になりました。

「そんなことをやったら学校がぶっつぶれる」
「めちゃめちゃな学校になります」
「自由奔放になりすぎて、統制が取れなくなりますよ」

教員からの厳しい声を教頭は「ですね」「ですね」と受け止めて、不安や不満がほとんど出尽くしたところで、僕はこう言いました。