「頑張る」を6種類に分けてみる
第5位の『「考えなくていいこと」リスト』にもご注目ください。産業医として1万人以上の人と接してきた井上智介さんが、心を軽くするために「考えなくていいこと」を教えてくれる一冊です。
今日から取り入れたいのは「『もっと頑張らないといけない』とは考えなくていい」。
すべての物事に全力投球していると、すぐに疲れてしまうもの。そのような事態を回避するアイデアとして、井上さんは、以下の6種類の「頑張る」を持っておくことを勧めています。
(1)全力で頑張ろう(100%の力で臨むイメージ)
(2)ちょっと頑張ろう(とりあえずやってみようという程度)
(3)できる範囲で頑張ろう(壁にぶつかったら誰かに助けを求める)
(4)ぼちぼち頑張ろう(期限ぎりぎりまでは放置しておく)
(5)余裕があれば頑張ろう(他にやることがなければ取り組む)
(6)誰かが頑張るだろう(主体的には関わらず、他力本願)
本書を読むと、自分がこれまで頑張りすぎていたことに気づくでしょう。少し肩の力を抜きたいとき、ぜひ手に取ってほしい一冊です。
異動のキーパーソンは「人事部」ではなく「直属上司」
最後にご紹介したいのが、第6位の『人事ガチャの秘密』です。
キャリアを運命づけるといっても過言ではない「配属・異動・昇進」。あなたはそのからくりを知っていますか。もし「そう言えば、誰がいつ、どのように決めているのだろう?」と思ったのなら、ぜひ本書を読んでみてください。
必ず知っておきたいのは、あなたの異動のキーパーソンは「人事部」ではなく「直属上司」であるということ。
パーソル総合研究所のヒアリング調査(2021)によると、人事部が人事異動案を作る会社は全体のわずか3割にとどまっていました。多くの会社では、課長以上の管理職の人事異動案は人事部が、一般社員層は各部門で作るという分業制になっているそうです。もし異動を強く望んでいたり、逆に今の部署にずっと留まりたいと願っていたりするなら、直属上司へのアピールに注力すべきだと言えるでしょう。
そのほか、ハイパフォーマー、ミドルパフォーマー、ローパフォーマーそれぞれの人事異動について語っているパートも注目です。
著者は、ミドルパフォーマーは部門からも人事部からも目配りされない存在であるとし、ミドルパフォーマーのキャリアについて警鐘を鳴らしています。あなたがミドルパフォーマーにあたるなら、今後のキャリアのために、できるだけ早く目を通すことをおすすめします。
今月も、未来予測から雑談、睡眠まで、幅広いジャンルの本がランクインしました。また、先月第3位だった『うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣』が第18位と、依然として多くの方に読まれています。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。