「脳の栄養不足」は食事で改善できる

この3つのホルモンを作り出すには、その材料となる栄養素を摂取することが必要です。逆に言えば、栄養素が不足しているとホルモンも十分な量が生成できず、問題行動につながるということです。

以下、3つのホルモンに必要な栄養素を一覧にまとめました。

【図表1】子どもの問題行動につながる3つのホルモンと必要な栄養素

タンパク質、ビタミンB群、マグネシウム、鉄を多く含む食品(魚、肉、卵、豆類、緑黄色野菜など)をバランスよく摂取することが重要です。一方、砂糖や加工食品は、血糖値の急激な変動を引き起こし、落ち着きのなさやイライラを助長するため控えるのが理想的です。朝食をしっかりと摂ることで、集中力や安定した気分を保つことも重要です。

肉と野菜を同時に摂れるおすすめレシピ

必要な栄養素を効率的に摂取できるレシピを2つ紹介します。

1.サーモンとアボカドのパワーボウル
栄養のポイント
サーモン:ビタミンD、オメガ3脂肪酸→ドーパミンD2受容体、セロトニン
アボカド:マグネシウム、ビタミンB6、ビタミンB9→GABA、セロトニン
全粒キヌア:ビタミンB群、マグネシウム→ドーパミン、GABA

① サーモンフィレに塩・こしょうを軽く振り、オリーブオイル大さじ1をかけて10分ほど置く。アボカドを一口大にして、レモン汁をかけておく(変色防止)。
② キヌアをさっと洗い、水(1.5倍量)で約15分間煮て柔らかくする。その後、水気を切っておく。
③ フライパンを中火で熱し、サーモンを皮目から焼き始め、片面約4分ずつ焼く。表面に焼き色がついたら、ニンニクを加えて香りを引き立てる。
④ 炊いたキヌア、アボカド、好みの野菜をボウルに盛り付け、上に焼いたサーモンをのせる。レモン汁をかけて味を調えたら完成。

キヌアと生野菜のサーモンプレート
写真=iStock.com/Wirestock
※写真はイメージです
2.鶏むね肉とほうれん草のガーリック炒め
栄養ポイント
鶏むね肉:タンパク質、ビタミンB6→ドーパミン、GABA
ほうれん草:マグネシウム、ビタミンB6、鉄→セロトニン、GABA
ナッツ:マグネシウム、亜鉛、ビタミンB群→ドーパミン、セロトニン
ニンニク:抗酸化作用、ビタミンB6→ドーパミン

① 鶏むね肉は薄くスライスし、塩・こしょうを軽く振っておく。ほうれん草はよく洗い、3〜4cmに切る。
② フライパンにオリーブオイルを中火で熱し、にんにくスライスを加えて香りが立つまで炒める。鶏むね肉を加え、色が変わるまで炒めたら、ほうれん草を加えてさらに炒める。
③ 醤油を加え、全体に味が馴染んだら火を止める。盛り付け後、刻んだナッツをトッピングして完成。

材料を牛肉やズッキーニに変えるのもお勧めです。牛肉にはタンパク質や鉄、亜鉛が含まれていますし、ズッキーニでビタミンB群、マグネシウムが摂れます。

スパイスと新鮮なバーベキュー牛肉
写真=iStock.com/Andreas Häuslbetz
※写真はイメージです