本人のキャリア希望をよく聞く

そうならないように、どういう経験やスキルを身に付けたいのかをよく聞き、それにまつわる仕事に優先的に関わらせることです。

すぐに本人が望む仕事を任せることができない場合は、担当してもらう仕事が将来望む仕事にどのようにつながるのか、それがどのようなキャリア形成につながるのかを説明したうえで任せることが重要です。

その説明の際に、事例を話せると説得力が増します。

当初は望む仕事をさせてもらえず、下積みの仕事を担当させられたが、その後、望む仕事を担当させてもらうことができ、その中で下積みの経験が大いに役立っている。

そんな自身の経験や他の社員の事例を話せれば、納得してもらいやすくなります。

これらの説明もなく、本人の希望しない仕事を一方的に担当させ、「ここにいても必要なキャリアを築けない」と思われてしまうと、離職に向けて動き始めます。

また、「若手にハードに仕事をさせると辞めてしまう」というイメージから、このカテゴリーの人の仕事の負担を軽くした結果、「もっと厳しい環境で自分を鍛えたい」「仕事の仕方がぬるい」「残業させてもらえないのがつらい」という理由で離職する人もいます。

20代、30代の方はプライベートを大事にしたいから残業したくない、業務量はほどほどにしてほしいという方が多いですが、このカテゴリーの人は、たくさん業務をこなして早く力をつけたいという方も少なくありません。

そのため、希望する業務量について、個別に確認しておく必要があります。

面接
写真=iStock.com/Weedezign
※写真はイメージです

意欲や能力が高くても、人間関係のストレスに弱い人も

また、仕事への意欲や能力は高いものの、人間関係のストレスに弱い人もいます。

そういう人は仕事にやりがいを感じても、給料が高くても、人間関係にストレスを感じると耐えられずに離職します。