越谷イオンレイクタウンには「7店舗」ある
例えば、エリアの歴史や伝統、文化などの素晴らしさを店舗デザインに織り込んで世界に発信する「リージョナル ランドマーク ストア」は、通常の店舗設計とは異なる個性を持ち、2005年に日本初として誕生した鎌倉御成町店を皮切りに、兵庫県の神戸北野異人館店や愛媛県の道後温泉駅舎店など、全国に28店舗が展開されている(2024年9月時点)。
また、コーヒー、ティー、カクテルなどを五感で楽しめる特別な空間が設計された世界に6店だけの「スターバックス リザーブ ロースタリー 東京」、ティーブランド「ティバーナ」を楽しめるティー特化店として全国に15店舗が展開されている「スターバックス ティー & カフェ」などもある(いずれも、2024年9月時点の店舗数)。
店舗の多様化を進めるスターバックスだが、日本最大のショッピングモールである越谷イオンレイクタウンでは、個性の異なる7つの店舗を展開している。食品スーパーやレストランの近くの賑やかさに合わせた店、駅に近く若年層の仕事や勉強目的の利用に向けた店、駐車場に近いことからグループの休憩利用でくつろぎやすい店、外の自然を楽しめてペット同伴が可能な店、1人や少人数でティーをリラックスして楽しめる「ティー & カフェ」店など、それぞれの店が位置するエリアのニーズに合わせて設計されている。越谷イオンレイクタウンにはスターバックスの多様性が集結している、と言っていいだろう。
低い座席、ベビーカーを置ける広い通路、キッズメニュー
その中で、2024年9月14日にリニューアルオープンしたのが、「子どもも家族も楽しい」という新コンセプトを掲げた「越谷イオンレイクタウン mori 3階店」だ。同店は、すべての座席が低く設定され、席ごとの境のないシームレスな席空間、どの席の隣にもベビーカーが置けるようにした広い通路など、親子でゆっくり自由に楽しめる設計になっている。
日本初のキッズメニュー「キッズ フラペチーノ」が12歳以下の子ども向けに用意され、店内利用時は、持ちやすく、落としても壊れにくい、取っ手付きの樹脂製グラスで提供される。また、キッズメニュー購入者限定で、ソースやシロップを親子で自由にトッピングできる体験型のカスタマイズサービス「コンディメントバー」を楽しむこともできる。
これまでにも、神奈川県のエトモ綱島店などファミリー向け取り組みをする店舗はあったが、「越谷イオンレイクタウン mori 3階店」は日本初のキッズメニューや体験型サービスの開発など、より本格的な取り組みが行われる場所となっている。この新コンセプト店は、ファミリー層の利用やニーズを検証する場になると考えられており、スターバックスがこれからファミリー層の支持を掴んでいくうえでの試金石として重要な場と言える存在だ。