ファミリーが店を選ぶ「2つのパターン」

このスターバックスのファミリー層の開拓に関して、ファミリーが店を選ぶときの2パターンの存在について留意しておきたい。ファミリーが店を選ぶ場面では、「親が行きたくて、子どもを連れていく」パターンと「子どもが行きたくて、親が引っ張られていく」パターンの2種類がある。親になったスタバ世代を呼び込むスターバックスの戦略は、前者に当てはまる。

一方で、後者の「子どもが行きたくて、親が引っ張られていく」パターンでは、スターバックスにとって困難な競争が待っているだろう。子どもを店に呼び込むカギとなるのは、フードとコラボである。子どもが「食べたい!」と指名するようなフード、という意味では、ファストフード店のポテト、ファミリーレストランのドリンクバーなど、強力なライバルが目白押しで、スターバックスの通常メニューやキッズメニューで立ち向かうことは容易ではないと考えられる。

また、コラボに関して、スターバックスではディズニーやピーナッツ(スヌーピー)などとコラボしたことはあるが、どちらかといえば大人向けのコラボになっている。スターバックスの持つ世界観とのバランスが求められるため、多くのライバルのように流行りのコンテンツと次々にコラボすることは難しいと考えられ、この点でも子どもの獲得競争では不利と言える。

そのため、スターバックスのファミリー層の開拓は、まずは「親が行きたくて、子どもを連れていく」パターンをメインに据えて着実な成果をあげながら、ファミリー仕様店を拡大して「家族でスタバ」を普及させることが重要になる。そのうえで、「子どもが行きたくて、親が引っ張られていく」パターンに関して、ライバルにはできないスターバックス独自の強みを形成していくことができれば、「家族でスタバ」という新定番が定着できるだろう。

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