1頭揚げるだけで1000万円もの値が付く

20トン超のニタリクジラが映るモニターから目を離さずに、阿部は説明した。

「調査捕鯨から商業捕鯨に変わりましたが、捕獲できるクジラの数が決まっていることは変わりません。商業だからって、何でもかんでも捕っていいわけじゃない。捕れる数も種類も厳密に定められています。だから経費を抑えて、できるだけ大きくて、脂が乗ったクジラを狙わないと利益が出ないんです。移動の燃料費も人件費もバカになりませんからね。製品にした鯨肉の歩留ぶどまりが悪いと、乗組員みんなの暮らしに影響が出てしまいますから」