消費者が自然にアンバサダーになってくれる

いまやSNSで誰もが発信できる時代です。『キットカット』の例では、企業側が一方的に情報を発信していくのではなく、ユーザーがいわばアンバサダー(大使)としての役割を担ってくれる――、そんな一面を垣間見ることもできます。

「ORGABITS」の例でも、100%オーガニックではない理由を丁寧に説明し、誠実に公表したことで、共感の輪が広がり、お客さんがお客さんを呼ぶ状況になっています。

この観点からも、いまできること、やっていることを、リアルタイムにいち早く誠実に伝えることが重要です。

繰り返しになりますが、ここでいう誠実とは透明性ということ。透明性があれば、企業側の信念も伝わります。

誠実さは等身大の存在として評価され、付加価値になる

深井賢一『売れる「値上げ」』(青春出版社)
深井賢一『売れる「値上げ」』(青春出版社)

小さくて不完全ではあるけれど「ちょっといいコト」は、消費者にとって自分たちの等身大で捉えることができるため、親近感をもってもらえます。だから、自分たちも応援し、その輪を広げていこうという気持ちにもなり、それが商品を買うという行動にもつながるのです。

さらに、企業の取り組みを応援して商品を買った自分たちも「ちょっといいコト」をしている気分になれる。そんな気分も、ユーザーや消費者にとって重要な付加価値になります。

頑張ってもらいたいという応援の気持ちとともに、自分たちもちょっといいコトをしている気分になれる。そんな付加価値があるために、価格が高くても値上げをしても、選んでもらえる商品・サービス、企業になれるのです。

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