消費者利益に反する謎ルール

謎の協定である「雑誌発売日協定」を堅持したいという人は、私が取材した限り誰もいません。しかしながら、この問題を議論しようとする人もいません。

小島俊一『2028年 街から書店が消える日 本屋再生!識者30人からのメッセージ』(プレジデント社)
小島俊一『2028年 街から書店が消える日 本屋再生!識者30人からのメッセージ』(プレジデント社)

私には消費者利益に反するこの出荷カルテルとも言うべき「雑誌発売日協定」に公正取引委員会が沈黙し続ける理由が分かりません。

書店に残された時間は少なく、街の書店の閉店は加速してゆきます。日本の書店を救う道は必ずあります。私は公正取引委員会がその役割を正しく果たされることを心から願っております。

出版界以外の業界に居られる皆さんは驚かれるとおもいますが、あなたが思いつかれる出版社や書店チェーン店に自己啓発系の研修はありません(例外的には存在します)。

無論、実務的な業務系の研修はありますが、ほぼOJTです。出版界の教育(研修)の不在は異常と言っても差し支えありません。出版界が凋落する根本的な原因は「教育の不在」にあると言うのは言い過ぎでしょうか? 出版界が「米百俵の精神」を思い出す日を待つばかりです。

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