学習内容についても見てみよう。「できない人」は、TOEIC対策をした割合が8ポイント高い(図27)。これについて安河内氏は、「TOEICで高スコアを出す人には2種類います」と説明する。

「まず、『テストおたく』。参考書などを使ってしっかりTOEIC対策を行い、試験テクニックでスコアを伸ばすタイプです。もうひとつは、英語の実践力を高めるうちに、自然にTOEICスコアが伸びたタイプです」。これはそのまま「できない人」「できる人」に分類できそうだ。

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図27・28

学習法では、もっとはっきりした差が出た(図28)。「できない人」は書籍の教材やセット教材が中心。これに対し、「できる人」は洋書や英語の新聞、雑誌、映画、ドラマ、ニュースなど、「生の英語」が中心だ。山崎氏は、「参考書などの教材ばかり使っているうちはダメ。(『できない人』たちは)TOEICの勉強ばかりしているのでは? それでは730以上取れたとしても、英語が使えるようにはなりません」と言い切る。

山崎氏は著書の中で、24人のネーティブにTOEICを受けてもらうという「実験」を行っている。その結果は、全問正解者はゼロというものだった。「TOEICは、リスニングとリーディングの力は測れますが、必ずしも総合的なビジネス英語の力を反映するものではないといえるでしょう」(山崎氏)。

安河内氏が強く勧めるのは、TOEICスピーキングテスト/ライティングテスト(TOEIC S&W)だ。「このテストは、書いたり話したりという、実務に即した本当の英語力を測ることができます」(安河内氏)。これを受けると、自分が「できる人」「できない人」のどちらに該当するかがわかるはずだ。

安河内氏は「TOEICが990でも、英語が話せない『テストおたく』がごろごろいます」と手厳しい。スコアだけを追い求めるのではなく、使える英語を身につけたいものだ。

※すべて雑誌掲載当時

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