※本稿は、こう『ひとり暮らし大全』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
防音性を重視するなら「鉄筋コンクリート」一択
お住まいの部屋に入居したての頃を思い出してみましょう。
内見をしたときと印象が変わったことや、当時は気にならなかったけれど住んでみて気になってきたことはありませんか。これはお部屋のあるあるなのですが、住んでみないとわからない“お部屋の現実”はあるのです。
しかし、事前に住宅についての知識があれば、住みよい環境を手に入れることもできます。
住環境としての快適さを求めるなら「鉄筋コンクリート造」に絞って考えるべきです。建物の構造は、鉄筋コンクリート造(=RC造)、鉄骨造(軽量鉄骨造、重量鉄骨造)、木造などに分かれます。
耐震性や防音性(遮音性)からみれば、「鉄筋コンクリート造→鉄骨造→木造」の順になるものと考えておけばいいでしょう。防音性に関しては、鉄骨造と木造では、あまり変わらない場合もあります。防音性を重視するなら、鉄筋コンクリート造一択になるといってもいいくらいです。
最近はデザイナーズマンションに近いお洒落なアパートが建てられるようにもなっていますが、木造では、隣の部屋の声が丸聞こえになってもおかしくありません。
音が気になる人は学校の近くは避ける
参考のために書いておけば、建物がマンションになるのかアパートになるのかという明確な定義はありません。3階建て以上の鉄筋コンクリート造の集合住宅をマンション、2~3階建ての木造もしくは鉄骨造(軽量鉄骨造)の集合住宅をアパートと呼ぶのが一般的です。海外では、日本でいうマンションもおよそapartment(アパートメント)としてまとめられます。
音が気になる人は、近くに学校があるような物件、あるいはペット可物件なども避けたいところです。
学校が近くにあると、校庭に流れるアナウンスや通学している子供たちの声が部屋には想像以上に入ってきやすい。日中、部屋でリモートワークに集中したいという人は気になるかもしれません。また、一日中、隣の部屋で犬が吠えていたり、上の階で駆け回っていられたりすれば、相当なストレスになります。
鉄筋コンクリート造でも完全に音が遮断されるわけではないので、部屋選びの際にはこのような環境面にも注意すべきです。
個人的には、駅の近くがいいと考えて、駅のホームの高さにかなり近い位置にある部屋を借りたことがあります……これは失敗でした。