どのような商売であれ、およそ「お客」のある仕事には、マーケティングの発想が大事だということになっている。メーカーや小売業はおろか、政党、病院に至るまで、ほとんど例外というものが見当たらない。

奈良市元林院町の「遊 中川」本店(現在改装工事中)では、麻製品をはじめとする各種の和雑貨が人気を集めている。

マーケティングとは、平たくいえば「顧客に買ってもらえる仕組みをつくること」(『グロービスMBAマネジメント・ブック』)。つくってしまった製品や仕入れてしまった品をただるのではなく、顧客の求めるものを調査し、理解し、それに応じた商品やサービスを提供する。大げさにいえば、これこそが現代の企業が等しく共有している価値観だ。