それは「自分の中の価値観を崩すこと」。その意味に気付く1つのきっかけとなったのが、コリン・ウィルソン著『アウトサイダー』だったという。ゴッホにサルトル、ヘミングウェイといった登場人物たちの生き方が、社会の常識や秩序を一歩乗り越えることで、初めて見える世界があることを語らしめていたからだ。

「日常生活の中で『生』を実感できず、非日常に自らを追い込む人々の物語。本書はサクセスストーリーばかりではありません。だからこそ、その生々しさ、泥臭さがいい。飯を食うこと以上の意味を仕事に見出そうとしたとき、この人々がどんな挑戦をしたのかがよくわかります」


 

『アウトサイダー』(コリン・ウィルソン・著/集英社文庫)

「立志伝の中には、失敗談が描かれないことも多い。ここには生々しく描かれています」

『西国立志編』(サミュエル・スマイルズ・著/講談社学術文庫)

「何百もの人物、それもほとんど知らない人が登場する伝記。刺激を受けられる本です」

『ゲバラ日記』(チェ・ゲバラ・著/中公文庫)

「単純に好きな本。強い意志を持っているところに惹かれる。独立前後の時期に読みました」

『成功の法則』(江口克彦・著/PHP文庫)

「実は重要なことは身近にあるのかもしれないと、この本を読んで考えるようになりました」

『坂の上の雲』(司馬遼太郎・著/文春文庫)

「人事制度を考えるうえで面白い本。この本の中に、日本の病巣がはっきり出てるんです」

※すべて雑誌掲載当時

Joe's Labo代表 城 繁幸
東京大学法学部卒業後、富士通に入社。2004年に人事コンサルタントとして独立。『若者はなぜ3年で辞めるのか?』など著書多数。「年功序列型の組織からそうでない組織へ移る場合、ビジョンとエネルギーが必要です」
(撮影=増田安寿(人物)、小林久井(本))
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