「なんだか下に見られている」のはなぜか

誰しも愛され、大切に扱われたい。

けれど現実では、なんだか下に見られている気がする。

雑な扱いを受けている気がする。

人間関係が写し鏡だとした時、この問題はどう捉えていけばいいのでしょうか。

実は、雑に扱われると感じている人の多くは、優しく、相手に尽くす傾向があります。

恋人に甲斐甲斐しく尽くす。

会社では嫌な仕事もどんどん引き受ける。

人に尽くす人は、いつかこの苦労が報われると信じて、健気なシンデレラ役を買って出ているのです。

でも、ちょっと待って。

その苦労、本当に報われたことがある?

そうなんです。

実は、雑に扱われやすい原因は、相手に「甲斐甲斐しく尽くす」ことそのものにあるのです。

えっ! 尽くせば、いつか報われると信じていたのに!

そんな無慈悲なことってある⁉️

そう思いますよね。

でもね、「尽くせば報われる」という言葉の裏側にはこんな本音が隠れていませんか?

尽くすから、愛してほしいの……。

つまり、「見返りなく、ただ尽くしたくて尽くす」というケースは別ですが、「尽くせば報われる」と思っているケースは、尽くすことでようやく愛と承認をもらえるのだと信じているのです。

相手はご褒美をあげる側で、あなたは尽くしてご褒美をもらう側。

尽くすことによって、自ら、相手との関係を上下関係に持ち込んでしまっているのです。

そして、自らを上下関係に持ち込んでしまうほど、相手はあなたを雑に扱いはじめます。

なぜって、あなたが自分を上の立場として扱ってくれるものですから、相手側がそこに反応して、横暴な振る舞いをはじめてしまうのです。

あなたはお姫様

ここにもこんな投影が隠れているんですよ。

「私はありのままでは大切にされない存在」

つまり「私なんか……」という自己卑下の思いが、現実に反映されて、その通りの現実がつくられてしまっているわけです。

心の写し鏡はこんなところにもあるんですね。

だから、この自己卑下を手放した時に、あなたは等価交換ではない、ただ、あなたでいて愛されるというイージーモードの世界に行くことができます。

私は愛されていい。というか、愛されて当然。

そう信じている人が、愛されるようになっていきます。

これもまさに「自己愛」が外の世界に映し出されたというケースの投影ですね。

愛をもらうために相手に尽くすのではなく、まず、「私は当たり前に愛されいいんだ」という許可を自分に出してあげてください。

そのためには、相手への尽くし行動を一切やめて、まず自分のために尽くしてあげることです。

自分のために尽くすことができれば、尽くされること、愛されることにも抵抗がなくなっていきます。

池田由芽『メンタル“ヤバめ”をやめられる本「今日も自分を大切にできた」と思える心理学』(大和出版)
池田由芽『メンタル“ヤバめ”をやめられる本「今日も自分を大切にできた」と思える心理学』(大和出版)

今日から、あなた自身をお姫様のように大切に扱ってあげてください。

お姫様、今日の気分は?

お姫様、どうされたいですか?

お姫様、膨れっ面ですがどうされました?

自分のご機嫌を上手にうかがい、自分を満たしていく。

自分に愛されることに慣れていってください。

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