人間関係が上手くいかない人はどうすればよいのか。アダルトチルドレン専門の心理カウンセラーの池田由芽さんは「承認欲求が強すぎると、パートナーや友人に依存的になり、人間関係がうまくいかなくなってしまう。しかし、『手放さなきゃ!』と思ったところで、承認欲求はなくならない。自分の中にある承認欲求を否定せずに、自分で自分を認めてあげる必要がある」という――。

※本稿は、池田由芽『メンタル“ヤバめ”をやめられる本「今日も自分を大切にできた」と思える心理学』(大和出版)の一部を再編集したものです。

承認欲求は無理して手放さなくていい

「認めてほしい!」
「わかってほしい!」

このような承認欲求が強い人にあなたはどんな印象を抱きますか?

かまってちゃん?
自己顕示欲が強そう。
少し厄介な人?

前の記事でご紹介した第0感情の「○○してほしかった」という承認の願いは、人格の土台となる大切な願いです。

赤ちゃんはお母さんに愛して、世話をして、守ってもらわなくては死んでしまいます。だからこそ、生存本能として認めて、愛して、満たしてもらうという欲求は私たちから切り離せないのです。

それに「認めてほしい」という気持ちに対して、「なくなれ!」「手放さなきゃ!」と思ったところで、承認欲求がなくなったためしはないですよね。

だからこそ、私は声を大にして伝えています。

「承認欲求は手放す必要はない」と。

承認欲求は、しばしば邪魔者にされがちな欲求です。

だから、多くの人は自分の中にある承認欲求をひた隠そうとするし、なんなら手放そうとしていきます。

まずは自分自身の承認欲求に気づいて

パートナーにがんばっていることをもっと認めてもらいたい。会社に努力を正当に評価してもらいたい。

でも、そんなことを言ったら迷惑かな。めんどくさい人認定されちゃうかな。

そんな思いから、普段は涼しい顔をして、承認欲求を持っていることを隠している人が多いのではないでしょうか?

もしくは、パートナーや友人に過剰に求めすぎてしまい、そのせいで人間関係がうまくいかなくなってしまっている人もいるかもしれません。

そう、承認欲求が強すぎると相手に依存的になってしまうことがあるのです。

ただ、承認欲求というのは私たちが当たり前に持っている欲求の一つ。

ただ、「承認欲求は強いと嫌われる!」という思いから、人にひた隠すだけでなく、承認欲求を強く持っていることに、自分自身でさえ気づいていないことがあります。

承認欲求は手放す必要がないと書きましたが、それ以前にまず、自分自身の承認欲求に気づいていくこと必要があるわけですね。