行動にはすべて動機がある

でも、自分でも気づきにくい承認欲求。どうすれば気づくことができるのか。

それは、行動の動機に目を向けていく、ということです。

行動にはすべて動機があります。

悩みの元は思考、その元は価値観、その元は第0感情といったように、行動にも元を辿れば、動機が見えてくるわけですね。

承認欲求に気づくためには「なんのためにその行動をしているの?」というアドラー心理学でいうところの目的論の視点を日常に取り入れていきましょう。

たとえば、職場で自分の企画を取り上げてほしくて、自分を追い詰めすぎてしまう。

そんな苦しい時こそ、「なんのためにその行動をしているの?」と自問してみてください。

たとえば、その問いの答えはこんな感じかもしれません。

「上司に親を重ねていて、認めてもらいたいんだ」

そうか。私はただがんばりたいわけではなく、上司に認めてもらいたかったんだ、という承認欲求が見えてきますね。

「Accept me」と書いてあるメモを持つ手
写真=iStock.com/RapidEye
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執着心を手放したい理由

また、私のクライアントで、執着心を手放したいという方がいました。

執着心を手放せば、目的のものが手に入るのだと信じていました。

なんのために執着心を手放したいのか。

その方の目的のもの、それは元カレとの復縁でした。

つまり、すごく元カレに執着し、彼から認められたいし、ヨリを戻したかったのです。

「別に執着したっていいですし、認められたいし、愛されたいって素直に思えばいいじゃないですか。今、持っている感情を殺そうとするほうが苦しくないですか?」
「確かに! 手放さなきゃ認められないって信じていました!」

その方は驚き、素直にもう一度彼にアタックしたところ、彼もその方を忘れられずにいた、というかわいらしいハッピーエンドの逸話もあります。