実は「シニア層」に多いカスハラ!

UAゼンセンでは、カスハラをおこなう年齢層の調査も実施。60歳代以上が48.5パーセントとおよそ半数となり、カスハラをする人はシニア層に多いという結果が出ています。この結果について、カスタマーハラスメントに詳しい、関西大学社会学部の池内裕美教授は、高齢者ならではの身体的・認知的機能の衰えが原因の1つではないかと指摘します。

高齢になると耳が聞こえにくくなったり、理解力の衰えから、何度も聞き直したり、大声になってしまうケースがあります。特に若い世代は高齢者層との日常的なコミュニケーションに慣れていない人も多く、ちょっと大きな声を出されると怒鳴られてしまったと恐怖心につながって、カスハラと判断されてしまう可能性もあります。

自己承認欲求が強い人がカスハラに走る?

さらに、池内教授によると高齢者層のカスハラは大きく2つにわけられるとしています。

1:筋論型
社会階層が高い方もいる。非常に権威主義的で上から目線で詰め寄るような口調が特徴。過去の栄光や武勇伝を持ち出しながら自分の主張を押し通す。

2:世直し型
指導者的な立場で教育する形でクレームを言う。親切心や正義感をベースに、マニュアルの改善を提案したり、特定の分野の勉強不足を指摘したりする。

「どちらの背景にも、自分を認めてもらいたいという承認欲求があります。また高齢者だけでなく、若い人の中にもカスハラをする人はもちろんいます。若者のカスハラでは、何か問題が起きたときは電話をかけず、SNSを使って問題を拡散するケースが多いです。「『いいね』をもらって承認欲求を満たして満足してしまう傾向があります」と池内教授は説明しました。