小4時点で「勉強はイヤなもの」と思ってしまっている

一般的に中学受験の勉強が始まるのは、小学4年生からと言われている。大手進学塾の受験カリキュラムがそのように設定されているからだ。しかし、スタート地点ですでに、子供の「勉強に対する感じ方」に違いが表れる。学校の授業とは違う塾の授業に初めは戸惑いを感じつつも、「新しいことを学ぶことって楽しいな」と目を輝かせている子もいれば、すでに生気を失った目でイヤイヤ授業を聞いている子もいる。

幼児期や低学年のうちからたくさんの勉強で我慢を強いられてきた子は、その時点ですでに「勉強はイヤなもの」「つまらないもの」「我慢してやるもの」と思っていることが少なくない。

退屈な勉強にうんざりした生徒
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幼児期から難しい勉強をさせるデメリット

近年、幼児・低学年向けの単科塾が盛況だ。算数オリンピックを目指す子が集まるような算数塾があったり、実験を中心とした理科塾があったり国語の専科塾があったりと、バラエティーに富んでいる。こうした塾は、それに興味を持って取り組んでいる子には楽しい場所だが、たいして興味もないのに、親に良かれと思って入れられてしまう子も少なくない。しかし、こうした何かに特化した塾は、内容が高度でその年齢の子には理解できないことも多い。

本質を理解できていないのに、「こうすれば解けるよ」と解き方だけを習う。そして、なぜそのやり方で解くのかよく分からないけど、先生がそう言っているからやってみる、ということをくり返す。でも、そんな勉強はちっとも楽しくないし、納得感のない理解はちっとも実にならない。ただただ、つまらない時間を過ごすだけで、「勉強はイヤなもの」「つまらないもの」になっていく。こうした状態で中学受験の勉強がスタートすると、その先で伸び悩むことになる。

しかし、親はそれに気づかない。むしろ、幼児期から難しい内容の勉強をさせておけば、「特別できる子」になってくれるのではないかと期待を膨らませる。