疲れにくい体を手に入れるには、どうすればいいか。整体師の奥中伸さんは「肩こりや腰痛は、骨盤を上手く使えていないことに原因がある。『骨盤→背骨→胸骨』の流れを意識することで背骨が柱のように機能し、体をきちんと支えてくれるようになる。体を鍛えるよりも、骨を上手く使うことを意識したほうがいい」という――。(第2回)

※本稿は、奥中伸『読むと「全自動」で健康になるすごい本』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

「反り腰は良くない」の本当の意味

前回の記事から続けて骨盤の働きを見ていきましょう。骨盤の回転によって生じる力は、いろいろなものを突き上げます。その中でも大切なのが「胸骨きょうこつ」の突き上げです。骨盤が回転する円運動では、大きく2つの動きが発生します。

【図表1】骨盤の回転で生じる「胸骨」の突き上げ
骨盤が回転することで、胸骨が適切な位置に動く(出所=『読むと「全自動」で健康になるすごい本』)

まずは、背骨が上がります。それと同時に、背骨が体の中心方向、つまり前のほうへと移動するのです。この2つの動きが合わさって、ナナメ上方向の突き上げが生じ、胸骨を上げます。みなさんの胸のど真ん中にある骨です。

骨盤のつくり出すさまざまな力のうち、最も実感してほしい部分です。「反り腰はよくない」と聞いたことはないでしょうか? 本稿のイラストも反り腰にも見えて、疑問に思った人もいるかもしれません。

反り腰の問題点は、腰が反っているのにその力が胸骨にまで届いていないこと。それだけです。腰が反って骨盤の回転を生み出せているのに、それが生かされていない。途中で力を伝えられない背骨ということです。

さて、胸骨をナナメ上に突き上げると、それに付随して「肋骨」も上げられます。肋骨が上がると、とても呼吸がラクになりそうですよね。他にもいろいろラクになってくるので楽しみにしておいてください。