保険期間10年の定期保険がおススメ

生命保険も団信と同様、高度障害状態になったときは死亡時と同額の保険金が支払われるのが一般的です。高度障害保険金は被保険者が非課税で受け取ることとなりますが、被保険者が障害のために手続きができず、配偶者が代わって受け取った場合でも非課税となります。

団信の代わりに加入する生命保険のお勧めは、保険期間10年の定期保険(※3)です。インターネットを通して割安なものを選ぶと、保険料負担が抑えられます。そして、10年後の更新のタイミングで、債務残高に合わせて保険金を減額するのがポイントです。

もっと高い頻度で減額すると保険料負担は軽くなりますが、保険のことばかり考えて生活するわけにもいかないでしょうから、せめて更新時には見直すようにしてください。

※3 掛け捨てタイプの死亡保険で、更新時にはその時点の年齢で保険料を再計算するため、同じ保険金額で更新すると保険料はアップする。健康状態にかかわらず、80歳など一定年齢まで更新できるものが一般的。

一生に一度の買い物だからこそ、熟考を

さきほどの図表3のケースにおいて、どのくらいの保険料になるかを試算してみます。Aさん(男性と仮定)が2000万円の10年定期保険に加入すると、30歳の場合は月額1704円(年間2万448円)、40歳だと月額3444円(年間4万1328円)、Bさん(女性と仮定)が3000万円の10年定期保険に加入すると、30歳の場合は月額1816円(年間2万1792円)、40歳だと月額3634円(年間4万3608円)となります(※4)

一方、連生団信は債務残高の0.2%が上乗せされますから、3000万円の借り入れだと返済開始から1年間の上乗せ分は約6万円、2000万円だと年間約4万円、合わせて約10万円の負担です。

ただし、性別や年齢による違いはありませんから、個別契約とどちらが割安かはケースバイケースです。債務残高が減るにしたがい徐々に負担は軽くなりますので、残高に合わせて減額する手間は不要です。

住宅購入は、普段の買い物とは桁違いの高額な買い物。しかも、物件選びから購入の申し込み、住宅ローンの契約と、次々と迫ってくる慣れない手続きに振り回されます。

深く考えないまま、飛んで来た球を打ち返すような調子で大事な決断をすることがないよう、事前に住宅購入の流れを予習しておき、住宅ローンの組み方や団信の選び方など、判断を要することは、あらかじめ情報収集をし、内容をよく吟味しておくことが大切です。

※4 メディケア生命の「死亡定期保険」で試算

【関連記事】
「住宅ローン」変動型の金利は年内にどこまで上がるのか…固定金利への借り換えを検討してもいい人の条件
実は賃貸に住む建築家が多い理由…プロがこっそり教える「住宅会社が絶対に言わない"住まい"の真実」
「利上げすると住宅ローン金利が~」と騒いではいけない…パックン&エミンが利上げは必須と口を揃える理由
所得400万円だと年70万円が健保で消える…あまりにも高い「国民健康保険料」を合法的に下げる3つの方法
医療保険、がん保険は必要ないが…民間保険不要派のFPが「これは例外」としてお勧めする"3つの保険"