あくまで冷静かつ客観的に書くことが重要
ただし、記録する際には、憎悪の言葉を書き連ねる等、マイナスの感情を“培養”するような書き方は避けましょう。
基準は、その記録を見返した時に悲しみや怒りなどがこみ上げてくるかどうかです。読み返した時に感情が揺さぶられてしまうような表現はやめておいたほうが良いと思います。
ただひたすら冷静かつ客観的に「コレクション」してください。
そうすれば、その記録は自分だけの「べからず集」になります。
すなわち、「いつか自分が誰かの上司になっても、このような人間にだけは絶対になってはいけない」という教訓集です。
パワハラ上司など特定の人物に限らず、自分が嫌だなと思う人物に出会ったり、誰かに嫌なことをされたりするたびにどんどん記録していってください。
これがさまざまな場面でものすごく役に立ちます。将来に備えての引き出しが増え、その引き出しの中身も充実していきます。
こうなってはいけない「反面教師」たち
私の個人的な経験ですが、この教訓集作成は「リーダーシップ」を養う最も優れた方法のひとつだと確信しています。
朝令暮改で、気に入らないと直ぐに怒鳴る男性上司、そのくせ若い女性には徹底的に甘く、忙しくて部下の書類を見るだけでも大変なのにそうした女性事務員とはダラダラと会話する……そういったタイプの人は、今でも私の“先生”です。
私の「べからず集」にストックされている方々は、自分で何を言っているのかわからず、相手にどのような印象を与えているか、どのような感情を抱かせているかもまったく理解していない方が少なくありません。
あるいは、「あれは俺がやったんだ」「あの時は苦労したぞ」と言う割に、新しいプロジェクトの開始時には人の影に隠れていて、良い結果が出てから前面に出てくる。
こうした方たちの行動や態度が「べからず集」として今も私の引き出しにたくさん入っています。この方たちは「心は目に見えない」と考え、自分の心のあり様に気を付けていないと思われますが、実際に「心は形」となって表面に出ます。