パワハラ上司を変えることはできない
「心の準備」は、個人的にも非常に役に立った「精神的な危機を乗り越えるためのテクニック」のひとつです。心に予防接種を打って免疫力を高めたり、心にショックアブソーバーを取り付けたりするようなものだとお考えください。
さて、前述のパワハラ上司の例、みなさんはリアルにイメージできたでしょうか。
あらためて問いますが、みなさんならこの状況にどう対応するでしょうか。
私からは、お勧めしない方法とお勧めする方法があります。
まず、お勧めしない方法は、「上司の人間性を変えようと努力する」ことです。
基本的に「他人を変えよう」としてもうまくいきません。
大抵、無駄な努力に終わります。
どうせ変えるなら、「他人」ではなく「自分」です。ただし、その「他人」に合わせて「自分」を変えることではありません。
そのために、これから紹介する「切り替え」テクニックを活用してください。
「他人に愚痴る」も控えたほうがいい
また、社内の同僚や友人、家族にその上司の愚痴を漏らして自分のストレスを和らげようとするのも、できるだけ控えたほうが良いでしょう。
マイナスの感情を周囲に撒き散らす行為は結局、自分にとってマイナスになります。
最初のうちは「……うん、うん、確かにそれはひどいね」と優しく聞いてもらえるかもしれませんが、大なり小なり聞き手にマイナスのエネルギーを与えることに違いはありません。その人の許容範囲を超えて愚痴を漏らし続けると、さすがに嫌がられるでしょう。
最悪の場合、本来リラックスできるはずの「ホーム(家庭・ホームグラウンド)」まで居心地の悪い環境になる恐れがあります。それでは、元も子もありません。
やはり、誰かから受けたマイナスのエネルギーの被害を自分の大切な人にまで拡大させることなく、自分のところで断ち切って、プラスのエネルギーに変換できるほうが人として素敵です。
そもそも、仕事以外のプライベートな時間までそんなパワハラ上司のことを頭に思い浮かべ続ける必要はあるのでしょうか。
そういうのは「大好きな人」に対してする行為です。
同じ時間を使うなら、パワハラ上司ではなく、本当に「大好きな人」を思い浮かべたほうが精神衛生上も良いと思います。