視聴者とのより密なコミュニケーションが必要
事態をうまく収めるためには、テレビ局はまず、アナウンサーと広報担当を切り分け、現場のアナウンサーの代わりにテレビ番組に出て謝罪や釈明が行える役職者を設けるべきだ。
半分冗談だが、メディア企業はCAO(Chief Apologizing Officer:謝罪担当責任者)という役職を作ればよいのではないかと思ったりもする。
筆者は、テレビ局の謝罪については、下記のように考えている。
1.謝るべきことはちゃんと謝ったほうがいい
2.アナウンサーではなく、役職者が謝ったほうが適切(ただし、「テレビ映え」する人物である必要がある)
3.社長まで出てきて謝る必要はないことも多々あるが、アナウンサーの謝罪だけでは不十分なこともある
今回のように、アナウンサーが謝罪するだけでは不十分だが、社長が謝罪するまでもないこと、あるいは社長が定例会見で謝罪しても批判が収まらないケースも目立つようになっている。
要するに、その間を埋める組織や人材が必要ではないかということだ。テレビをはじめとするマスメディアの影響力は依然として大きいが、マスメディアが世論を形成する力は弱くなってきている。SNSやネットメディアでのバッシングが強まっている現状、およびテレビ以外の映像メディアも多数出てきている状況を鑑みると、キー局といえども安泰とは言えない。
リスク広報に限らず、テレビ局は視聴者との接点をより強化し、視聴者とのコミュニケーションを密にしていく必要がある。