冷え性改善も期待できる

アリシンは「アリイン」というファイトケミカルが、切断によって酵素「アリイナーゼ」と結びつくことで「アリシン」に変化します。

加熱するとさらに「アホエン」「スコルジニン」という別成分に変化。冷え性改善などの効果が期待できます。

アリシンを活性化させた玉ねぎは、辛みがあり、食べすぎると胃が荒れることも。

辛さが心配な時は玉ねぎを長めに常温に置けば、辛みが落ち着きます。

「あめ色玉ねぎ」にすると栄養が消失

玉ねぎの重要成分である「アリシン」と「ケルセチン」。アリシンは熱に強い性質を持ち、ケルセチンは脂溶性のため、油を加えて軽く炒める調理がベスト。

ただしあめ色になるまで炒めると、栄養が消失してしまいます。

「あめ色玉ねぎ」
写真=iStock.com/bhofack2
「あめ色玉ねぎ」には栄養が残っていない(※写真はイメージです)

アリシンを100%摂取するなら生ですが、食べすぎると胃が荒れることも。酢を加えると辛味を和らげつつ、栄養もキープできます。

辛みを抜く「水さらし」は、水溶性のアリシンや、カルシウム・マグネシウム・カリウム・リンなどのミネラルが流出してしまいます。

東京慈恵会医科大学附属病院栄養部監修『完全版 その調理、9割の栄養捨ててます! 調理科学×栄養がとれる食べ方のコツ』(世界文化社)
東京慈恵会医科大学附属病院栄養部監修『完全版 その調理、9割の栄養捨ててます! 調理科学×栄養がとれる食べ方のコツ』(世界文化社)

煮込み調理も水さらし以上に水溶性の成分をロスしてしまいます。ただし栄養が流れ出た煮汁ごと食べられるスープなどならOKです。

玉ねぎは80℃以下の加熱で抗酸化力がアップします。また脂溶性のケルセチンは油と炒めることで吸収力が大幅にアップします。

アリシンは加熱によってアホエンなどの成分に変化して抗酸化力をキープしますが、100℃以上になると失活するため、長時間加熱はNG。

レンチン加熱はムラがあるものの、水に触れないため栄養流出は少なめ。使うなら、30〜45秒程度の短時間加熱がおすすめです。

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