株式や投資信託のスポット購入も多い
「成長投資枠」が多く利用されている大きな理由は、「株式に投資できるから」です。
実際、NISA口座で投資されている約6兆1800億円のうち、約2兆5000億円は株式です。NISAでは外国株式への投資も可能で、報道によると、半導体大手のエヌビディアやテスラ、アップルなどへの投資も多いようです。
ここから、当然といえば当然ですが、初心者だけでなく、投資経験が豊富な人もNISAを利用していることが透けて見えてきます。
投資信託への投資は株式より多く、3兆5000億円を超えていますが、つみたて投資枠での買付額は約1兆円ですから、多くが成長投資枠で投資された分と推測できます。成長投資枠でも投資信託を積立購入できますが、好きなタイミングで売買する「スポット購入」のケースも多いでしょう。
投資は「長期・分散・積立」がセオリーなのに……と思うかもしれませんが、私としては、NISAを利用するなら株式投資や投資信託のスポット購入も選択肢に加えてほしい、と考えています。とくに株式投資をやってみることをおすすめします。
NISAで株式投資も検討したい理由は3つあります。順番に説明します。
投信積み立てより株式投資のほうがワクワクする
まず1つ目の理由は、「株式投資は楽しいから」です。
積立投資は10年、15年……と続けることで資産形成をするのが目的です。
つみたて投資枠では、長期保有に適した投信として、低コスト(販売手数料無料のノーロードで保有中にかかる信託報酬も低い)で、運用期間が無期限または長期などの条件をクリアした投信が選定されています。もちろん、利益はずっと非課税ですから、資産形成には最適です。
選定されている投信のほとんどはインデックス投信で、TOPIX(東証株価指数)に連動するタイプなら日本株全体に、S&P500に連動するタイプなら米国の主要500銘柄に、「オルカン」(オールカントリー)なら世界中の株式に分散投資できます。
まさに、「長期・分散・積立」で資産形成の王道です。しかし、言い方を変えると、優等生の投資であり、地味で、刺激がありません。