最も難しい「売る」練習もしておきたい

3つ目は、「株式に投資することで売買の練習ができる」ことです。

深野康彦『出遅れた投資初心者のための 資産ゼロからの新NISA入門』(プレジデント社)
深野康彦『出遅れた投資初心者のための 資産ゼロからの新NISA入門』(プレジデント社)

投資で多くの方が悩むのが、タイミングです。買いたいと思っても、もう少し下がってから買ったほうがいいか……などと悩むうちに株価が上昇し、いつまでたっても買えない、ということも起こりがちです。下がったら下がったで、もっと下がるかも……と怖くなって買えなくなるといったケースもままあります。

それに輪をかけて難しいのは、「売ること」です。株価が上昇すると、もう少し上がるかも(もう少し儲かるかも)……などと思って、なかなか売れないのです。

株式のまま子どもに相続するつもりならいいですが、自分でお金を使いたい、認知機能に問題がないうちに現金化したいと思うなら、いずれは売る必要があります。そのためにも「売る」という経験を積んでおきたいところです。

成長投資枠は、初心者にとっても利用価値がある

積立投資は長期で続けたほうがいいので、成長投資枠で株式や投資信託を買い、売る経験をしてみます。「いくらになったら売る」とルールを決めておき、条件を満たしたら売ってみます。

経済環境などによって一時的に株価が値下がりすることはあり、業績や成長性に問題がなければ保有していてもいいのですが、経営方針が大きく変わってしまった、時代についていけていないなど、企業そのものに魅力がなくなった場合は売却を検討します。

売るときに自分の気持ちがどう動くかを観察し、自身の投資のクセを把握するといいでしょう。

成長投資枠は、投資経験者が利用するだけでなく、初心者にとっても利用する価値が十分にあるのです。

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