日本株の未来は明るい(武者氏)

上昇相場ですが、上昇期待が織り込み済みの株や、円安による利益減少見込みの株は今、買い控えるべきです。

直近で好調だった鉄鋼はその一例。中国の安価な鉄鋼輸出が世界的な市況を押し下げ、業績の足枷になると予想されます。自動車も様子見したいセクターです。ハイブリッド車の再評価でトヨタが人気を集めましたが、やがてEVシフトと再び向き合うと予想されます。海運もコンテナバブルの恩恵は株価に織り込まれたと見られ、相対的な出遅れ感と割安感で買われていた電力や医薬品なども、今後はグロースへと資金が移り、上昇一服と見ています。

また、輸入依存の産業も円安の逆風により低迷が続きそうです。特に紙・パルプは輸入コスト、エネルギーコスト上昇によるコスト高と、デジタル化による紙媒体の需要減の二重苦で、苦戦を強いられるでしょう。

ただし、一時的下落トレンドの企業があっても、好景気と日本復活は既定路線。多くの日本企業は、不況を生き延びた過程で無駄を削ぎ落とし固定費を抑えており、今後は需要拡大と売上増で、採算はよくなります。短期的に落ち込むセクターはあっても、長期的に見れば日本株全体で上昇が期待できることを強調しておきます。(武者)