危ない企業を見極めるには(和島氏)
反対に、「売上高や利益が減っている」「赤字が続いている」「借入金が増えている」といった危険な兆候があれば、その企業の株は買うべきではありません。日本経済が回復しつつある現在においても、業績の好転が見られない企業は、今後の成長には期待できないでしょう。加えて、金利がある世界になった今、金利上昇が致命傷となって、借入金の支払利息が払えなくなり、倒産するといったリスクがあります。
また、株高の今、ベンチャーが多い「東証グロース市場」で、割安な成長株を探す人もいます。しかし、何年もグロース市場に止まっている企業の場合、「ボロ株」かもしれないので、注意しましょう。「成長していない企業」だからです。
ほかにも、PBRが買うべき銘柄かどうかの指標になります。東証プライムで8割以上の企業がPBR1倍割れを解消している中で、いまだに解消できていない企業は、収益力が乏しいことを示しています。
今は「トピックスコア30」の銘柄を買っておけば、「はずれがない」といった株式市況ですが、それでは妙味がありません。上場企業の中身をよく分析し、「勝ち組企業」を見つけ、ぜひ「お宝株」をゲットしてください。(和島)
※本稿は、雑誌『プレジデント』(2024年7月19日号)の一部を再編集したものです。
(構成=野澤正毅、水嶋洋大 撮影=宇佐美雅浩(武者氏))