半導体関連株が特に狙い目(武者氏)

アメリカのサプライチェーン再構築により、中国や韓国、台湾に代わり、基礎的技術の圧倒的集積を持つ日本が、世界のハイテク生産拠点となります。

そして、半導体・ハイテク製造業が日本経済復活の柱となるでしょう。グローバルニッチトップを数多く擁する日本は、世界のハイテク産業を支える必要不可欠な要素の宝庫なので、半導体とその素材、装置産業は著しく潤います。半導体製造装置メーカーであれば東京エレクトロン(8035)、素材であれば信越化学工業(4063)などが例として挙げられます。また、半導体を使用するハイテク機器や、設備投資も盛り上がるでしょう。省電力対応や専用の空調が必要なデータセンターが増えれば、関連の設備工事や空調関係の産業にも需要が広がります。半導体・ハイテク製造業を起点とする経済波及効果で、素材、製品、設備に関わる幅広いセクターが狙い目となります。

別の視点ではアセットを保有する金融、不動産業界もおすすめです。日本は株だけではなく不動産も含めたあらゆる資産が割安ですので、資産価格の適正化が進めば銘柄も評価されやすくなるでしょう。特にREIT(不動産投資信託)は、金利上昇のあおりを受け低迷中の今こそ買い場。将来的には不動産価格と賃料上昇により、銀行やREITも価格回復が期待できます。

今後も上がる! 好調株9選

インフレによる物価上昇の恩恵を受けるセクターには、インバウンド需要が好調の百貨店やホテル業界などが挙げられます。注目株は、外国人富裕層向けの外商員を増やすなど、訪日観光客を長期の固定客にする取り組みが目立つ三越伊勢丹。一過性の海外需要ではなく継続的な売り上げ拡大に成功すれば、今後の業績が期待できます。また、食品業界も意外な売り上げの伸びを見せています。インフレにより消費者は値上げを受け入れつつあり、価格転嫁に成功していることが窺われ、投資妙味があります。

最後に挙げたいのが、AI革命の担い手となりうるグローバルプレイヤーです。AIの発展は、GAFAMを中心とするプラットフォーマーの時代から、AI活用による多様なソリューションが求められる時代へと新たな可能性を拓きつつあります。IT産業の転換期に飛躍が見込まれるAI関連企業を投資候補におさえておくべきです。

なお、NISAで買う場合では、注目すべきは大型株より中小型優良株。今までの上昇相場で出遅れ感がある小型株は、海外投資家の見直し買いが予想され、大型株よりも値上がり幅を期待できます。また、優れたファンドマネジャーが運営する中小型株投資信託を選択肢に入れることもおすすめです。