感情が次々と生まれ、脳は「過労状態」に
もちろん人はこの暴走をただ放置しているわけではありません。気に入らないからとむやみに人を攻撃していては、周囲との関係を築くことはできませんよね。社会的な立場を考えて大人の対応を取るわけです。
扁桃体が暴走しそうになった時に「まあまあ、落ち着いて」というなだめ役を担うのが、大脳新皮質の前頭前野という部分です。
このように、私たちのネガティブ感情は扁桃体で作り出され、それを前頭前野がコントロールしています。しかし、扁桃体と前頭前野がお互いに連絡を取り合いながら感情の折り合いをつけてはいますが、感情は好むと好まざるとにかかわらず、次々に生まれてきます。自分の意思で抑えようとすることが増えれば、それが新たなストレスになり、脳も疲れてしまうのです。
脳内物質のバランスが崩れてしまうと…
「これからどうなってしまうのかな……」
「なんでうまくいかないのだろう」
「どうして私だけ?」
こんなふうにイライラ、モヤモヤしながら考えている間、脳はずっと稼働状態です。なんとかコントロールしようと頑張り続ければ、脳もだんだん疲弊してくるでしょう。
スマートフォンもバッテリーの充電が少なくなると、インターネットの速度が遅くなったり、うまく接続できなくなったりすることがありますよね。脳も同じです。使いすぎやエネルギー不足によって、正常な働きができなくなってしまいます。
外部からなんらかのストレスを感じると、脳内では扁桃体の判断によって、次のような神経伝達物質が分泌されます。
神経伝達物質の一例
セロトニン:精神を落ち着かせて安定させる脳内物質。ノルアドレナリンやドーパミンをコントロールする。
ノルアドレナリン:興奮性の脳内物質。やる気や集中力、怒りをコントロールする。
ドーパミン:興奮性の脳内物質。快楽や意欲をコントロールする。
GABA:神経を落ち着かせ、ストレスを抑制する。
オキシトシン:神経をリラックスさせ、幸福感をもたらす脳内物質。鎮痛効果のほか、食欲をコントロールする働きも期待されている。
セロトニン:精神を落ち着かせて安定させる脳内物質。ノルアドレナリンやドーパミンをコントロールする。
ノルアドレナリン:興奮性の脳内物質。やる気や集中力、怒りをコントロールする。
ドーパミン:興奮性の脳内物質。快楽や意欲をコントロールする。
GABA:神経を落ち着かせ、ストレスを抑制する。
オキシトシン:神経をリラックスさせ、幸福感をもたらす脳内物質。鎮痛効果のほか、食欲をコントロールする働きも期待されている。
これらのバランスを取りながら、身体や感情のコントロールをしているのですが、しかし、脳が疲弊すると、脳内物質をバランスよく維持することができなくなるのです。