生成AI革命
ご存じの通り、今や世の中はAI祭り状態だ。
昨春米国ハリウッドでは、「仕事を奪われかねない」と映画脚本家らが大規模なストライキを実施した。日本でも各種クリエイターが創作物を投稿するnoteが、記事執筆のアシスタント機能を持つAIサービスを提供し始め、生成AIを身近に意識する人がメディア界でも増えた。
極めつけは去年10月の芥川賞。
受賞者が「全体の5%くらいは生成AIの文章」と発言したため、いよいよクリエイティブな表現もAIの時代になると思った人は多かった。
AI革命は今年さらに加速し始めた。
我々の質問にチャット形式で返事を返してくれていた生成AIだが、会話で受け答えするようになった。
映像分野でも「Sora(ソラ)」が発表された。プロンプト(テキストによる指示)に基づき作られる動画はリアルそのもので、一見しただけでは実写か作りモノかの判別が難しい。さらに観光地・建物・街並みを何枚も写真撮影すれば、あたかもドローンで撮影しているような動画にできるし、自由視点の画像が作れるようになった。
生成AIの進化
わずか1~2年で目覚ましい進化を見せた生成AI。
今週日曜(6月30日)の『サンデーモーニング』(TBS系)に出演した孫正義ソフトバンクグループ会長兼社長は、その進化の爆速ぶりをこう評した。
「(AIの能力は)4年で1000倍になった。すごいのは今後4年で1000倍になり、さらに次の4年で1000倍になる。つまり12年で10億倍に進化する」
加えて日本の“失われた30年”は保守的な経営の責任と非難した。
「インターネットが出てきたときに『これはまがいもの』と言い過ぎた。『若い者が何言っている』みたいな感じで、昔の重厚長大な大経営者とか、メディアも含めて、新しいものを低く見すぎた」
「もっと心を開いて素直に真正面から、進化に対して純粋に取り組まないと日本はヤバイ」
かつて地球上を席巻した恐竜は、巨大隕石によって滅びた。直径10kmもの隕石がメキシコのユカタン半島近くに落下し、地球環境の変化で絶滅し、そして体が小さく柔軟な対応に勝る哺乳類が恐竜の後継者になった。