将来の逸失利益は数千万円になる
子供が友達に、ケガをさせてしまった……。こんなときは何をおいても、すぐお見舞いや謝罪に行くべきです。障害が残るような大ケガであればなおのこと。子供や友人、学校からざっと情報を収集したら、できるだけ早く駆けつけてください。
なぜなら相手の親にしてみれば、ケガをしたその日に顔を見せるのと、1週間後に腰を上げるのとでは、謝罪の重みが違う。時間がたてばたつほど相手側の被害感情は高まり、問題解決にマイナスとなります。第一報を聞いてすぐに飛んでいき、その後も頻繁に見舞ったり電話したりしていれば、関係は続いていく。それをせずにいきなり弁護士を立てたり、すべて学校に押しつけたりしていては、今後の話し合いがうまくいくわけがない。
とはいえこちらにも、「ケガをした子のほうが先にケンカをしかけてきた」とか、「学校の設備に問題があった」などの言い分があるかもしれません。しかし詳しい原因や責任の度合いなどは、あとから追及すればいいのです。謝ることと、非を認めることは同じではありません。「治療費や慰謝料については、事情を調べてから、できる限りのことをさせていただきます」でいい。まずは謝罪で、原因究明や損害賠償の話はそのあとです。
法律的な観点からこのようなケースを考えてみると、加害児童の年齢や、事件・事故がどこで起こったかによってとらえ方が変わってきます。
まず子供の年齢ですが、小学生くらいまでは誰かにケガをさせても「責任能力なし」とされることがほとんど。その代わり親権者が責任を負います。中学生以上になると「責任能力あり」とされることが多いのですが、治療費その他の損害賠償となると、やはり親が事実上引き受けることになります。
次に事件・事故が保育園・幼稚園や学校で起こったのならば、園や学校には安全配慮義務や注意義務がありますので、責任を追及することができます。私立であれば園や学校、あるいは先生個人に、公立であれば市町村や都道府県に対して損害賠償を求めることになります。学校が日本スポーツ振興センターなどの共済制度に加入していれば、保険金が下りることもあるので確認してください。