定額減税にどれだけコストがかかったかも明記してほしい
9.焼け石に水の定額減税 物価上昇のキビシイ現実
更に4月、5月、6月と電気代、ガス代の負担が増えています。4月からは電気代の再生可能エネルギー発電促進賦課金が1kWhあたり1.40円から3.49円へ値上げされました。5月には今まで電気代ガス代の高騰に対して出ていた政府からの補助金が半分になり、6月には補助金が全額なくなります。これによってわが家の場合は月々3000円程度値上がりすることになりました。
また、食費や日用品などの値上げラッシュもとどまるところを知りません。今月も帝国データバンクの調査では食品614品目が値上げされているとのことです。
わが家でもスーパーで今までと同じ感覚で買い物をすると6000円くらいで済んでいたものがうっかりすると7000円、8000円になってしまうという感じです。たまたま先日も愛用しているダスターを補充しようと思って購入したところ値段は同じなのに中身が20枚から15枚になっていました。
10.わざわざ給与明細への記載を義務化
6月から開始された定額減税ですが、政府は5月下旬になって突然給与明細に定額減税の減税額を記載することを義務付ける方針を打ち出しました。経理担当者は大混乱です。
そもそも一年限りの定額減税を処理するために、本来であれば年末調整でやればいいものを二度手間で世帯の人数を把握したり、数カ月にもわたって減税の処理をしなければいけません。
それに加えて、減税額をひとりひとり記載しないといけないという負担が直前になって突然のしかかってきたわけです。
そもそも毎月いくら所得税、住民税を払っているか把握していない人がほとんどでしょう。確かに、「定額減税○○円」と記載がないと、減税されたことすら実感できないかもしれません。ですが、減税の実感を持たせるために、企業に労力とコストをかけさせる意味はあるのでしょうか。
11.税務署や課税課もよくわかっていない
今回、定額減税についての疑問を解消すべく、税務署や課税課にも問い合わせをさせていただきました。
ですが、毎回電話口の方が変わるたびに回答が変わり、混乱している様子がよくわかりました。税務署や課税課で実務をされている方々、また企業の経理担当の方々は本当に大変だったと思います。
そして、これから実際に減税されるにつれて、混乱が続くのではないかと心配です。
まとめ
減税は本来であれば歓迎されることのはず。それなのにあまり認知もされず、実務担当者や理解している人からは不満の声ばかり聞こえてくるのは、やはり、その目的と方法に問題があったのではないでしょうか。本当に増収分を還元するためのものであるならば、増収した分で今回徴収を始めた森林環境税を来年度からにしたり、電気代ガス代の補助金を継続させたり、再エネ賦課金の単価を据え置くこともできたのではないかと思います。莫大な手間とコストのかかる定額減税ではない方法が他にもあったのではないでしょうか。給与明細に定額減税金額を記載させるならば、定額減税のためにかかったコストがいったいどれほどだったのかも記載してほしいものです。