頑固な肩こりをほぐす方法はあるのか。パーソナルトレーナーの庄島義博さんは「体をほぐしたいなら、硬くなった部位を直接もむよりも、患部の先にある末端をほぐすほうが効果的だ」という――。

※本稿は、庄島義博『朝起きてすぐに動きたくなる体』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。

自宅で仕事をして肩が痛い日本の女性ビジネスウーマン
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

身体をゆるめたいなら、まずは末端から

「肩こりがひどい」
「パソコン作業に集中しすぎて腕が痛い」

そんな痛みや変化を感じたとき。不快な部位(患部、発痛点)をもむなど、そこにピンポイントで働きかけたくなるお気持ちはよくわかります。それでも、ある程度の回復は見込めます。

でも、より根本的に、より早く回復させたいとき。自分の手持ちの点数を、効率よく一挙に増やしたいとき。余裕があるなら「患部の先にある末端」へのアプローチも、おすすめします。

なぜなら、体の末端の力を抜くことなしに、体の体幹がゆるむわけがないからです。

たとえば、こぶしを思いっきり握って、肩の力が抜けることはないでしょう?

肩をゆるめたかったら、先に腕の緊張を取る。腕の緊張を取りたかったら、先に指の緊張を取る。

体にはこんな原則もあります。ですからこの章では、①指、②腕、③肩という順序でメソッドをご紹介してきます。

オリンピック代表も実践している「指ひっぱり」

小学生からオリンピック出場に照準を合わせて見事出場を果たした、ある選手がいます。自分の体の個性に向き合い、常態を整え、記録を出すというサイクルで、キャリアを着実に積み重ねてこられました。

その選手がレース直前にやっていた事のひとつが、「指ひっぱり」です。

【図表1】指ひっぱり
出所=『朝起きてすぐに動きたくなる体』(サンマーク出版)

特に肩関節を大きく動かす競技のため、腕や肩への負担を極限まで軽減し、パフォーマンスを高めていくことが求められます。

肩の疲労を除去したければ、手の力を抜けばいい。手の力を抜きたければ、指の力を抜けばいい。

「指ひっぱり」には、そんな確固たるロジックがあるのです。