親指~中指あたりまで見えたら「パソコン巻き肩」

①手の甲が全面的に見えている人
赤信号です。肩が内側に巻き込まれています。「内側に回っている」ことから「回内かいない」と呼ばれます。いわゆる「巻き肩」であり、早いうちに改善が必要です。

②手の甲が半分以上見えている人
黄色信号です。親指から「中指あたり」まで見えているならば、肩が前方に突き出し気味です。私はこれをパソコン巻き肩と呼んでいます。

③親指・人さし指までしか見えていない人
青信号、セーフです! 肩が内側にも前方にもいかず、理想的な位置にあります。

このような前腕の位置を、解剖学の言葉で「中間位」といいます。「極端に偏らず、過不足なく調和がとれている」という意味の言葉「中庸ちゅうよう」と、通じるものがありますね。

過度のパソコン作業やスマホ操作は、①の「回内」と呼ばれる状態を招きます。「回内」はテニスヒジ、ゴルフヒジ、野球ヒジなど、スポーツ時の怪我や故障とも関連があります。早めに解消しておくことが重要です。

巻き肩が改善される体操「ダンベルふるふる」

そのためにご用意したのが「ダンベルふるふる」。ダンベルの実物を持つわけではありませんので、しんどさはありません。

【図表2】ダンベルふるふる
出所=『朝起きてすぐに動きたくなる体』(サンマーク出版)

肩が内側に内旋する「巻き肩」の影響で、腕も、親指も内旋してしまっている……。

それなら親指を外側に向けてやり、腕も肩も一時的に外旋させることで「中間位」に戻せばいい、という考え方です。

では右腕からやってみましょう。右腕だけでダンベルを上げ下ろしするイメージから、この名前をつけました。

まず、左手で右手首を軽くつかみます。右腕が外旋するよう「外向きにねじるような圧」をかけます。左の親指に少し力を入れるといいでしょう。そのまま、右腕をダンベルを上げ下ろしする要領で動かしてください。

コツは右脇をぴっちり閉じること。右腕を体側に付けたまま、手首を上げ下げしましょう。10往復ほど繰り返します。左右逆側も同じように行ってください。

なぜ「外向きにねじるような圧」をかけるのかというと、手首を効率よく外旋させるため。いわばストッパー的な役割です。

「外向きにねじるような圧」をかけずに行うと、腕が「ゆるく内旋」してしまい、効果が薄れます。