後期高齢者医療保険料や介護保険料も差し引かれる

・年金から天引きされるお金②:後期高齢者医療保険料

後期高齢者医療制度は、75歳以上のすべての後期高齢者が対象の公的医療制度です。

後期高齢者医療制度の保険料は、都道府県ごとに条例によって定められています。保険料の計算は個人単位でされます。

後期高齢者医療保険料は年間の年金支給額18万円以上の場合、原則として年金から天引きされます。ただし、年度の途中で75歳になった場合には、条件が整い次第、年金天引きになります。誕生日に応じて年2回、天引きの開始月を設けている自治体もあります。

後期高齢者医療保険料を計算するにあたっての条件は、次のとおりです。

条件
・東京都文京区在住、扶養親族無し
・65歳受給の年金額は年間172万8000円(月14万4000円)
・75歳繰り下げ受給の年金額は年間317万9520円(月26万4960円)
・基礎控除額は43万円

後期高齢者医療保険料にも、所得割と均等割があります。

まずは65歳受給の年金額で計算します。

所得割:19万8000円×9.67%=1万9147円
均等割:4万7300円×被保険者数1人=4万7300円

以上より、後期高齢者保険料は6万6447円となります。

同様に75歳繰り下げ受給の年金額で計算した場合、後期高齢者保険料は20万6809円となります。

・年金から天引きされるお金③:介護保険料

公的介護保険は、原則40歳以上のすべての人が被保険者となり、市区町村が保険者となって運営します。会社員などの場合、介護保険料は労使折半ですが、退職後は全額自己負担になります。

介護保険料を計算するにあたっての条件は、次のとおりです。

条件
・東京都文京区在住、扶養親族無し
・65歳受給の年金額は年間172万8000円(月14万4000円)
・75歳繰り下げ受給の年金額は年間317万9520円(月26万4960円)

介護保険料を算出する際は、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料にあった「基礎控除」はなく、雑所得を使用します。介護保険料は本人・世帯の住民税の課税状況や所得金額に応じて段階的に変わります。東京都文京区の場合、介護保険料は20段階に分けられています(自治体により、段階の区分は異なります)。

65歳受給の年金額の場合、介護保険料は第6段階に該当し、8万4300円です。

75歳繰り下げ受給の年金額の場合、介護保険料は第7段階に該当し、9万1700円です。