高齢になったからこその「勉強」とは

勉強という言葉は、どうしても受験勉強を想起させます。答えはたった1つしかない。その答えをたくさん暗記することで高い評価を得て、ライバルを蹴落とす。そういうイメージが強いことでしょう。

初等・中等教育の段階では、暗記や詰め込みは大事です。でも高等教育や社会に出てからは、そういうものはあまり必要ありません。

さまざまな知識を身につけ、答えをいくつも知っていくこと。さらに、その知識をもとに自分で考えをまとめていくこと。それこそが勉強だと考えれば、高齢者でも構えないで参加することができます。

いくつになっても1日1日賢くなるのが人間

実際、70代で大学の科目単位の講義を受けたり、大学院に入り直してやりたかった勉強を再開させたりする人もいます。

和田秀樹『幸齢者』(プレジデント社)
和田秀樹『幸齢者 幸せな老後のためのマインドリセット』(プレジデント社)

そういう人たちに共通するのは、「もっと知りたい」という素朴な向学心です。

ただ1つの答えを探すのではなく、いろいろな考え方や見方を知りたい、いまよりももっと賢くなりたいという、いくつになっても残り続ける向学心が人間にはあります。

本を1冊読む、講義を聴く。勉強すればそのぶんだけ賢くなります。1日1日、少しずつ賢くなっていく。

70代だろうが80代だろうが、これはやはり大切なことであり、嬉しいことだと思います。

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