再エネのための負担は重くなる一方
民主党系のシンクタンクであるアメリカ進歩センターは、再生可能エネルギーは「無尽蔵で石油や天然ガスよりも経済合理性があり、エネルギーコストを下げる」とうたっている。
だが、再エネは想定よりはるかにコストが高くつく可能性があり、再エネを推進すればするほど、電気料金が高くなるのではと、米国の有権者は疑問を持ち始めている。
火力発電所が次々に閉鎖される中、風力や太陽光は発電量が不安定であり、それを補うバックアップ電源の建設にも莫大なコストが必要だ。
電気代の値下げが実現しないどころか、再エネ開発のための税負担や電気料金負担は重くなる一方だ。
「バイデノミクス」への不満が高まっている
バイデン政権は再エネ推進を柱とする経済政策「バイデノミクス」に巨額の補助金を投じている。
だが、その巨額の投資そのものがインフレを加速させており、「バイデンフレーション」とさえ呼ばれている。
しかも再エネに投資しても電気料金は安くならず、むしろ高騰の要因にさえなっている。
バイデン大統領が就任した2021年1月以降の食品と電気料金を除いた物価上昇率は18%ほどにとどまるのに対し、電気代は27%も上昇していると、米エネルギー情報局(EIA)が報告している。
再エネへの投資も、元はといえば米国民が納めた税金だ。また、インフレによって生活が苦しくなるのも米国民自身である。
そのため、米国の有権者の間には、「バイデノミクス」への不満が高まっている。
バイデン大統領の経済運営に関しては、英紙フィナンシャル・タイムズが米国で5月に実施した世論調査において、58%が「満足していない」と回答。4月の55%から3ポイント増加し、支持率の低下が浮き彫りとなっている。