給与収入だけに頼ってはいけない

(2)60歳までに収入を生み出す資産を作る

60歳以降が赤字基調だとすると、現役である60歳までに資産を作っておく必要があります。

具体的には、賃貸収入が見込める不動産、配当が見込める株式です。いずれも、売却益を狙うのではなく、定期収入を得るための手段として考えましょう。あくまで安定収入を目指すのです。

(3)予期せぬ出費をあらかじめ想定する

さきほどもすこし触れましたが、予期せぬ出費についても述べておきます。

もちろん、予測できないからこそ予期せぬ出費なのですが、どのようなことが起こるかを想定しておくことが大事です。準備ができるからです。

1つ目は、家族の病気や事故です。

病気や事故はいつ襲ってくるかわかりません。また年齢を考慮すれば、認知症などを発症するリスクもあります。その場合の介護費用はあなどれません。

ちなみに、私は40代前半、設定されたばかりの私企業の「介護保険」に一括払いで加入、生涯にわたっての保障を買いました。

車椅子に乗った高齢者に寄り添う介護士
写真=iStock.com/byryo
※写真はイメージです

「負の相続」がないか家族と確認を

2つ目は、親の介護です。

親の介護が発生するのは時間の問題です。すでに長期の介護を経験されたり、親を看取られた方もいらっしゃると思います。

その際、相続で予想外の収入が発生する場合もありますが、親に借金が残っている場合には負の相続もありえるので注意が必要です。

ですから、今のうちに親に確認しておきましょう。

兄弟姉妹がいらっしゃる場合は、親が亡くなる前にきちんと話し合っておくべきです。状況が許し、節税になるのなら、生前贈与なども選択肢の1つです。

3つ目は、自宅の修繕・改築です。

日本は台風、地震、洪水など自然災害の多い国。さらに最近は、気候変動の影響で被害も大きくなっています。そうした可能性のある地域にお住まいの場合は、損壊した自宅の修復や改築に予想外のお金がかかることもありえます。

また、家族の介護のため、浴室や寝室などにリフォームが必要になることもあります。もちろん、介護保険や補助金を使用できるケースもあるので、そのための情報を事前に得ておきましょう。