あなたが「納得できる生活」とは

新聞、テレビ、ネットでは、「標準」「平均値」が報道されますが、もはや「平均」は意味をなさないということを理解しておく必要があります。

ですから、ここに示したモデルを参考に、ご自身のケースで数字を割り出してください。

その際、大事なことは、納得できる生活を維持するには支出(月額25万円)をどこまで下げられるかを知っておくこと。

自分の生活の損益分岐点を知るためです。

「満足」ではなく「納得」という表現を使ったのは、満足とは一時の感情であり、瞬間的に満足しても、いずれ不満が募ることがありえるからです。

対して、納得は理性の働きであり、「月15万円の生活でも私たちは納得できる」とパートナーと合意しておけば、不慮の事故や急な入院などで経済的に苦しくなっても、生活を維持する決意ができます。

納得した上で、支出の限界点を探る。これを必ず行ってください。

自営業夫婦の年金収入は月13万円前後

続いて、収入の話です。

図表2は、あなたの収入(年金収入)の概算です。ただし、あくまで概算であり、1つの例ですから、日本年金機構から郵送されてくる「ねんきん定期便」などで必ず個別に調べてください。

ケース1は、夫婦共(もしくはパートナー同士)自営業で、国民年金のみ加入の場合です。年金収入は月13万円前後になります(2024年3月時点、以下同じ)。

ケース2は、サラリーパーソン(厚生年金に加入)と専業主婦・夫(国民年金に加入)世帯の場合で、年金収入は月22万円前後です。

ケース3は、夫婦共働きで双方が厚生年金に加入の場合で、年金収入は月30万円前後です。

図表2で算出した収入から、図表1で算出した支出を引けば、世帯収支が計算できます。